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IoT農業

ファーストファームとは?

スマートファームプロジェクトとは、ビニルハウスをデジタル管理し、ハウス内の温度・湿度といったデータをデジタル形式で収集することにより、作物の生産性を向上させるプロジェクトのことです。
IoTクラウドプラットフォームであるThing+を使用し、ビニルハウス農家や関連する企業を対象に、ニーズに合わせたカスタマイズ(customization)ソリューションの提供を目的としています。

経験予測からの脱却。IoT化での温度・湿度管理よるコスト削減、セキュリティ強化の実現

ビニールハウスのスイカ農場において、これまで経験予測から調整していた温度・湿度の調整をデジタル化することで生産性を向上、コストを削減、セキュリティを強化する取り組みを行いました。
本プロジェクトでは、IoTクラウドプラットフォームであるThing+を使用しました。本製品は、ビニールハウスや農業分野で活用されているソリューションです。

最初のステップとして、数週間にわたり顧客の要件精査および必要データの収集に使用するIoTセンサーの特定を行い、適用条件における課題解決を行いました。
各ビニールハウス内の加温/冷却曲線が最適かどうかを判断するには、気温と湿度の測定値が重要です。本プロジェクトの対象とするビニールハウスは、最初に季節や1日の時間をもとに暖房および換気の値を設定して、気温と湿度を定期的に確認しています。しかし、日中の天気(雲の動きや日中の急激な温度変動)だけでなく直射日光の量なども含めて、環境は絶えず変化しています。それに加えて、ビニールハウスの汚れや扉の閉め忘れ、側面の小さな穴や亀裂など、毎月のように条件は変わります。連続したデータ収集が望ましいのは明らかであり、IoTセンサーを導入して温湿度データを常時収集することで、人件費削減と生産性の向上は言うまでもなく、暖房と換気のコストを大幅に節約できます。
さらに、扉の開閉状況の監視も本プロジェクトの重要課題の一つでした。その理由はスイカやその他の高価な農産物を育てるビニールハウス内での盗難被害が発生しているためです。監視カメラなど、従来のセキュリティソリューションの実装や利用には非常にコストがかかりますが、代わりにIoTセンサーで扉の開閉を確認し、自動的に警報が出るよう設定することで、安価に閉め忘れ防止に加えてビニールハウスの安全性を確保できます。
結果、本プロジェクトではビニールハウス内の6つの地点の温湿度データを15分ごとに読み取り、各ビニールハウスの扉の開閉状況を常時監視する事となりました。
本プロジェクトでは、IoTクラウドプラットフォームであるThing+を使用しました。本製品は、ビニールハウスや農業分野で活用されているソリューションです。

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※熱換気条件が等しい同一のビニールハウスでも、室温には約8~10度の差がある
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※無人のビニールハウスは泥棒の恰好のターゲット

通信インフラはLoRaWANを採用

通信インフラについては、まずビニールハウスの複合施設は広い範囲に点在しており(最大で約600メートルの通信距離が必要)、途中には複数の小さな建物があるので、壁や建物を挟んでも長距離に電波が安定的に届く方式が必要でした。このため、LoRaWANベースの通信インフラを選択しました。

お客様目線でUIをより便利に

今回、Thing+のUIをベースに、お客様のご要望に合わせてカスタマイズを行いました。大きな要望としては、データで構成されたUIから、農園マップを中心としたUIへの変更を行いました。

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※マップをメインに据えたデフォルトUI

各ビニールハウスをクリックすると詳細が表示されるように変更し、24時間のデータの動きに加え、すべてのセンサーデータを1つの画面に表示しています。

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※ビニールハウスのすべての重要データを1つにまとめた画面にカスタマイズ

スマートフォンとの連動。いつでもどこでも管理を実現

気温・湿度データの管理や確認はスマートフォンからチェックすることが可能です。扉が開いているなどの重大なイベントに対しての警報はダイレクトSMSメッセージで送信されます。温度・湿度の上限または下限を超えた場合など重要度の低いイベントでは、警報が農園のタイムラインにそのまま送信され、範囲外の事象が起こったことが直ちに通知されます。

安く、安全、手軽にを届けたい

ビニールハウス環境の中でワイヤレス通信によって安定的にデータを送信することは、以前は極めて高額な費用がかかっていました。しかし、Thing+ を活用したIoTソリューションを活用することにより安価で安全なスマートファーム環境が構築することができました。やりたいことが実現する時代が身近にある。そのことを我々は今後も届けてまいりたいと考えております。